こんにちは、お元気ですか?
本当に久しぶりに奈良桜井市の談山神社に11月末に行ってきました。
紅葉もまだ見ごろで、日曜日の休日でもあり車は駐車場に入るためにとても混雑、渋滞もしました。
ただ、穏やかな晩秋の気候で、お山全体が紅葉に埋まりとても美しく、賑やかなながらも心穏やかに満たされる気分になれました。
今回は写真も合わせて、過去のブログと共に談山神社をご紹介しますね。

私が古都奈良の紅葉でおすすめしたいのが談山神社です。
談山神社は紅葉と共に日本の天皇中心の政治へ移動した場所でもあります。
そして元号の発祥地、 第1号「大化」となったところなんですね。
今年で令和の元号に変わり早4年です。
そして談山神社のご祭神は藤原鎌足です。
ずいぶん意味深い歴史ある談山神社、紅葉を愛でながらいにしえの気分に包まれると、紅葉も楽しく味わえると思います。
談山神社は奈良県桜井市ですが、明日香村にとても近い談山神社です。
談山神社―元号の発祥地

冒頭の額縁に入ったような紅葉の写真、素敵でしょ?
談山神社(たんざんじんじゃ)の拝殿からの紅葉です。
場所は奈良県桜井市多武峰(とうのみね)。
2018年の11月21日朝、訪れました。
早朝の静かな風が吹き、一枚の絵のような美しさでした。
拝殿の中からは外に縁側があって、
縁側には鉄の灯篭が釣られてます。
紅葉を眼下に見渡すことができて
周囲の景色の美しさを満喫できます。
「大化の改新」の発祥の地 談山神社

2019年の5月に元号が新しく「令和」となりました。
もしかしたら私たちは今、歴史的な時代の大きな流れの中に
いるのかもしれませんね。
こちらの談山神社は元号 第1号「大化」の発祥地です。
西暦645年5月、ここ談山神社では
中臣鎌足(後の藤原鎌足)と中大兄皇子(後の天智天皇)が
多武峰の山中に入り、蘇我蝦夷と入鹿親子を打つため
極秘の「大化の改新」の 談合が されました。
「大化の改新」とは、
飛鳥時代に起こった 天皇中心の国づくりを行う政治改革です。
それまで民衆は豪族たちの配下にあり、蘇我氏たち豪族によって 治められていました。
鎌足と中大兄皇子は極秘の談合後、
政治的クーデターといわれる乙巳の変(いっしのへん)(645)を起こします。
そして、蘇我入鹿を謀殺すると父親の蘇我蝦夷も
自分の館に火をつけて自害したのです。
これによって、蘇我氏は滅亡します。
ちなみに、日本初の政治的クーデターが乙巳の変だとか…
孝徳天皇(中大兄皇子の叔父さん)が天皇の時に大化の改新を行い、
改新の詔(かいしんのみことのり)を発布しました。
これにより天皇中心の国つくりが始まりました。
そして、その時の元号を「大化」と名付けたのです。
この「大化」の元号が我が国の最初の元号となります。
その後、天皇が変わる度に元号も変わり、
現代の「昭和」「平成」そして今年の「令和」と1375年、延々と続くわけです。
談山神社の社号も、
極秘の「大化の改新」の 談合が されたことから「談山」名付けられました。
十三重塔(じゅうさんじゅうのとう)

こちらの十三重塔は、
ご祭神 藤原鎌足(中臣鎌足)の追福のために、
子供たち長男・定慧と次男・不比等によって建立されました。(678年)
神仏習合の名残です。
十三重の屋根は伝統的な檜皮葺(ひわだぶき)です。
曲線の重なりと軒先の反りが美しく、ひときわ目を惹きます。

現在の塔は、享禄5年(1532)の再建で、
木造十三重塔では世界唯一のものです。
唐(中国)の清涼山宝池院の塔を模して建てられました。
高さ17メートルあり、近くで見上げると とても重厚で迫力があります。

紅葉の頃、この塔の周りの鮮やかさはひときわです。
3000本ものたくさんのカエデに包まれ 「関西の日光」とも呼ばれる由縁の光景をお楽しみいただけます。
また、11月中旬から下旬にかけては、
紅葉の夜間ライトアップも行われています。
ライトアップされた赤、黄色の紅葉の色が暗闇に浮き立ちとても幻想的ですよ。
万葉集と談山神社

ところで余談ですが、
「令和」の元号の出典となったのが「万葉集」からだったことを覚えていますか?
「万葉集」の歌人で有名なのが額田王(ぬかたのおおきみ)です。
その額田王の姉が鏡王女(かがみのおおきみ)といい、「万葉集」にいくつか作品を残しています。
そして、この鏡王女は談山神社のご祭神の藤原鎌足のご正妻です。
鎌足と鏡王女はとても仲が良くて、鏡王女は幸せな一生を送ったそうです。
鏡王女がどのくらい鎌足を愛していたのかが、
「万葉集」にそれを物語る、情熱的な恋の歌があります。
「神なびの 石瀬(いはせ)の社(もり)の
呼子鳥(よぶこどり) いたくな鳴きそ
我が恋まさる」
意味は
神なびの石瀬の社の呼子鳥よ、そんなに激しく鳴かないでおくれ、
私の恋心がますますつのります。
この歌は 鎌足が亡くなった後、彼を思い作った歌だそうです。
鎌足がいなくなり、さらに愛おしく思う気持ちが伝わってきます。
この鏡王女の由れの「恋神社」というお社が談山神社の中にあります。
正式には「東殿」と申します。
ここは縁結びの神様として信仰の集めているお社です。
また、この「恋神社」に向かう鳥居からの道を「恋の道」と呼んでいます。
「恋神社」と書かれたのぼりも立ち並び すぐに分かりますので、
良かったらご一緒にお参りなさってくださいね。
あなたに、 良きご縁がありますように~

それでは、おわりに「万葉集」の初期の代表的歌人の額田王の歌をご紹介します。
「万葉集」の歌の中に四季がそれぞれ詠まれてますが、秋が圧倒的に多いそうです。
額田王も「春秋争い」の歌を詠んで 黄葉(もみじ)を取り上げ、秋が良いといったそうです。
秋山の 木の葉を見ては
黄葉(もみじ)をば 取りてそしの
青きをば 置きてそ歎く
そこし恨めし 秋山われは
意味は
秋の山の木の葉を見るにつけ、黄葉を手にとっては賞美し、
まだ青いのはそのままにしてなげく。
そこが恨めしいが、そんな心ときめく秋山がよいと私は思います。
この歌のような紅葉の美しさと飛鳥時代の強さを表しているのも、
大和路の紅葉かもしれません。
令和の時代、歴史的にとても重要なこの場所を訪れ
1375年前に思いを馳せながら
紅葉を愛でて頂ければ幸いでございます。

談山神社の基本情報
- 所在地 〒633-0032 桜井市多武峰319
- TEL/FAX 0744-49-0001 / 0744-49-0236
- URL http://www.tanzan.or.jp/
- 拝観時間 受付時間:8:30~16:30(最終受付)
最終拝観:17時まで - 拝観料 個人
大人(中学生以上)…600円
小学生…300円
小学生未満…無料
団体割引
[20~49名]
大人(中学生以上)…550円
小学生…250円
[50名以上]
大人(中学生以上)…500円
小学生…250円
談山神社へのアクセス
個人で行く場合
近鉄・JR桜井駅の南口(JR改札側)より、奈良交通 路線バス(コミュニティバス)
「談山神社行き」にご乗車、またはタクシーをご利用ください。
※バスは1時間に1本程度の運行です。お時間にはご注意ください。
お車の方は駐車場が五ヵ所あります。シーズン中でも満車になることも少ないかと思います。
詳しいアクセスはこちらから→
個人で行く場合のお得なセット → JR+宿泊セット
団体ツアー利用の場合
各旅行会社からいろいろな紅葉団体ツアーが出でいます。
団体旅行は時間が決められていて団体行動になりますが、
その分、一日の見学地が数か所から多いときは5か所以上の場合もあります。
日頃から時間がない方は、移動時間もよく考えられていて時間コストも少なく
盛り沢山のツアーに参加されるとよろしいかと思います。→ちょっと忙しいですが…^^;
そうではなくて、時間的にゆとりを持ち、ゆっくりと周りたい場合は
一日2か所~3か所くらいですと比較的、各見学地にゆとりがございます。
また、見学地によっては所要時間内にフリータイムが設けられていたり、
お寺や神社の拝観の時に寺、神職の方からのお話が聞けたりします。
団体だからこそできる、特典ですね。
談山神社は行きにくいところなので、団体ツアーはオススメです。
団体ツアー参考
おわりに
談山神社はいかがでしたか?
今はとても静かなところですが、今からおよそ1400年前、
わが国の政治が大きく変わり、その話し合いの場となった談山神社。
遠い遠い昔に思いを馳せながら、どうぞ 一度ごゆっくりと散策をなさってみてください。
それでは 最後までお付き合い頂き本当にありがとうございました。
次回は談山神社の近く、山を下りて飛鳥文化の中心地、飛鳥寺へご一緒しましょう。
それまで、どうぞ お元気でお過ごしくだいませ。ごきげんよう^^
ひかるん るん るん♪