こんにちは。弥生三月、日本の春を代表する花、桜の開花が進んでいますね。
今回は、日本の代表的な桜3種類について
●桜のお花見って楽しみだけど、どんな種類があるの?
よく見る桜の種類だけでも知りたいわ
の質問にお答えします。今年のお花見、身近な桜を少し知って是非楽しんでくださいね。
日本の代表的な3種類の桜たち
日本を代表的する3種類の桜の花は
・ソメイヨシノ
・エドヒガン
・ヤマザクラ
とっても馴染み深い桜たちですね。
コロナ禍の影響で今年の春もお花見はまだ…悩んでしまいますが、良かったら近隣の桜をお楽しみください。^^
最新の桜情報はこちらの記事からどうぞ。
※新型コロナウイルスの影響の元、各自治体により自粛要請などが行われています。「桜祭り」や「お花見宴会」は取り止めなど、お出かけの際は各地の最新情報をご確認ください。また、感染拡大防止のご協力をよろしくお願いいたします。
日本の桜は原種が11種。「基本野生種」から生まれた

そもそも桜とはどんな樹木なのでしょうか?
桜の学名はバラ科サクラ属サクラ亜属に分類された落葉広葉樹になります。(難しいのでバラ科ということで…^^;)
その原種は現在11種確認。原種で残り有名なのがエドヒガン、オオシマザクラ、ヤマザクラなどです。
そして、交配種や園芸種など、いわゆる栽培品種は380以上の品種が生まれています。
(引用 『桜図鑑』日本花の会)
その中でもお花見として人気の桜がソメイヨシノザクラ、エドヒガンザクラ、ヤマザクラです。
特にソメイヨシノザクラはとっても人気があり、全国に一番多く植樹されている品種でもあります。
では最初にソメイヨシノザクラから見てみましょう。
ソメイヨシノザクラ : 江戸の染井村生まれ、花も大きくて植樹しやすい人気物

ソメイヨシノザクラの親はエドヒガンとオオシマザクラです。この2種の交配によって生まれました。
このソメイヨシノが東京生まれというのが面白いですね。まさに「花のトウキョウ~♪」です^^;
起源は江戸時代末期、植木職人が集まっていた江戸の染井村(東京都豊島区)。
当時人気のあった「吉野桜」として売り出されたのが始まりです。
明治になって学者の藤野寄命(ふじのよりなが)が上野公園の桜が「吉野桜」とは違うことを発見し、染井村の名前を取り「ソメイヨシノ」と名付けました。
その後ソメイヨシノは人気を博し、各地に植樹されました。特に昭和の戦後には全国的に植えられ、日本で一番多い桜の木になったのです。
戦後ソメイヨシノが全国に多く植えられた理由は?
その主な理由は、ソメイヨシノは接ぎ木で増やしやすく、花が大きく華やかだったからです。
他の理由もまとめますと
・植樹が全て接ぎ木か挿し木で、比較的簡単に増やせる
・若木から花が咲く
・葉より先に花が咲き、満開時は木に花だけ塊って咲くため華やかである
また開花すると花の色が徐々に変化していきます。
つぼみの時は少し濃いピンク、咲くにつれて薄いピンク色へ、そして満開時には白くなる特徴があります。
エドヒガンとオオシマザクラの両親の良い所取りで、これ以上 良い桜は出てこないだろうともいわれていました。
ただ、そんなソメイヨシノも「てんぐ巣病」という病気にかかりやすく、寿命が他の桜に比べて短いという弱点があります。
その寿命は60年~70年位とか…そのため
ソメイヨシノは2種の代替種の桜に代わりつつある
東京や全国の都市に戦後一斉に植樹されたソメイヨシノは、すでに77年位の樹齢になります。
「ソメイヨシノは生長が早いが、老化も早い」とも言われ、寿命がきています。
そのため代替種として現在ジンダイアケボノとコマツオトメの2つの品種に植え替えを進めているそうです。
この2種の桜たちの特徴は、先に花が咲き葉は後から出ます。ソメイヨシノと同じですね。花は少し小さいのですが濃いめのピンク。なので華やかに見えます。
あと「てんぐ巣病」にかかりにくく病気に強いため、ソメイヨシノの後継品種として選ばれたそうです。
(「日本花の会」より)
今後、日本の桜はソメイヨシノからジンダイアケボノ、コマツオトメ、これら2種の桜に替わっていくようです。少し寂しいような気もしますが、後継の未来の桜に期待しましょう。
以上、日本で一番多く植樹されている桜、ソメイヨシノザクラのご紹介でした。
エドヒガンザクラ : 強い生命力で日本各地に名木の桜として残る

2番目のご紹介はエドヒガンザクラです。この桜はとても生命力があり長寿の桜です。
日本各地に名木として残っている桜の多くがエドヒガンザクラといわれています。人々に愛され大切にされてきた桜です。
そのエドヒガンザクラの特徴は
・葉より先に花が咲き、花びらは5枚、薄ピンクから満開時に白くなる
・こんもりとした山のような樹形である
・生命力があり長寿
上記の理由で古くから鑑賞用の桜として愛でられてきました。
ソメイヨシノはこのエドヒガンザクラが親です。葉より先に花が咲く華やかさを受け継いでいますね。
ちなみにエドヒガンの漢字は江戸彼岸と書きます。江戸で春のお彼岸のころに咲くから名づけられたんです。早や咲きの桜ですね。
次はひかるんおすすめのエドヒガンザクラの名木を2つご紹介します。
樹齢2000年余りの名木、山高神代桜(ジンダイザクラ)

1つは山高神代桜(ジンダイザクラ)です。
山梨県北杜市の実相寺の境内にあります。樹齢が2000年余りともいわれている桜です。
また、日本三大桜の一つの名木で(他2つ、福島県の三春滝桜、岐阜県の淡墨桜) 国の天然記念物にもなっています。
桜が咲く頃になると人々が心から魅せられ惹かれる桜でもあります。
きっと、遥かな時の流れを超えて悠然と今なお生き続けているからなんでしょうね。
花が咲くとより神秘さを増し、人々を感動させる大きな古木です。
実際の大きさは、高さは10.3m、幹周り11.8m、枝張りは東西 17.3m・南北 13.0mもあります。
行かれると桜を愛でながら手を合わせる人の姿もご覧なれると思います。
神代桜の見ごろ(2022年)
開花予想日 : 3月28日
5分 咲き : 3月31日
満 開 : 4月2日
桜 吹 雪 : 4月15日
他にこの境内で、ソメイヨシノ(30本)、ラッパ水仙が(8万株)もご一緒にお楽しみいただけます。
『石割桜』は力強さと逞しさ、パワーと勇気をもえる

2つ目は、「石割桜」(イシワリザクラ)と言い岩手県の盛岡市にあります。
エドヒガンザクラの力強さと逞しさが感じられる、観るだけでパワーと勇気を貰える桜です。
それもそのはず、周囲21メートルもある巨大な花崗岩を割って今も伸びているんですね。
樹齢は360年といわれ、大正12年(1923)には国の天然記念物に指定されています。
実際の樹の高さは11メートル位あり、堂々とした姿に満開の花が咲くと とても見事です。
なぜ岩の割れ目から桜が生えてきたのでしょうか?

諸説ありますが、
一番の有力説が「嵐の夜に雷が落ちてその時に石が割れた。その後、割れた石の隙間から桜の木が生えてきて、桜の生長とともに根の力によって石が割れ、ついに完全に割れた」というものです。
古書の記録などからこの説が最も有力とされています。
このエドヒガンザクラを愛でると、北国、岩手県の人々の力強さと逞しさを感じられる素晴らしい桜です。
是非一度ご覧になってみてくださいね。
以上、おすすめのエドヒガンザクラ2つをご紹介しました。
石割桜の見ごろ情報 (2022年)
開 花 予 想 日 | 満 開 | 桜 吹 雪 |
4月7日 | 4月13日 | 4月17日 |
参考 : ウェザーニュース・さくらCh.
ヤマザクラ : 古来からお花見をしていた日本の桜

では最後にヤマザクラですが、日本古来の桜です。
ソメイヨシノ以前はこのヤマザクラがお花見の桜でした。古くから人々に親しまれた桜なんですね。
日本最古の和歌集「万葉集」にもこのヤマザクラが歌われています。
ただ、その時代の花見の中心は「梅」だったため、和歌も梅が多く歌われています。ヤマザクラは少しだけです。
このヤマザクラの特徴は、
・白色、薄ピンク、ピンク色の花びらと木々によって違い、個体差がある
・花と葉がほぼ同時につき、 花弁は5枚、若葉は葉に赤みがある
・開花が長く、長期間お花見を楽しめる
という特徴があります。
また、ヤマザクラの樹皮は樺細工に昔から利用されています。
ヤマザクラはお花見が長い期間楽しめる

ヤマザクラの良い所はお花見が長期間楽しめることです。
その理由は、同じ場所で生育していても、各々の木々によって開花の時期が違うからです。
逆にソメイヨシノは同じ環境では一斉に花が咲きます。とても美しく見応えがありますが、短期間で咲いて一度に散ってしまうんですね。
その点、ヤマザクラは一週間以上もずれて咲くので、場所によっては1ヶ月くらい楽しめます。
では、そのヤマザクラの 代表的な 桜名所、奈良県の「吉野の桜」をご紹介しましょう。
コロナ禍以前は毎年関東からお客様をお連れしてたとっても人気のある桜の名勝地です。
「吉野の桜」は 目に千本の桜が一度に見れる豪華さ

吉野山は山全体に約3万本のシロヤマザクラを中心に咲き誇ります。
その景観は圧巻で「目に千本見える豪華さ」とたとえ「一目千本」といわれています。
この「一目千本」は、下千本、中千本、上千本、奥千本、と4ヶ所に分かれています。
花見のシーズンは、下千本~奥千本へと開花していきます。
また広範囲に開花時期も違うため長期間楽めますよ。
夜はライトアップもされ、日中とは違った幽玄的な雰囲気をかもし出しています。
吉野山の桜は歴史的な社寺仏閣に映る

桜を愛でながら、吉野山に点在する歴史的な社寺仏閣もよかったら訪れてみてください。
今年、NHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」に出演の源義経、その義経が弁慶らと身を隠した吉水神社。
明治以前は金峯山寺の僧坊でしたが、神仏分離令で神社になりました。後醍醐天皇の行宮であったり、豊臣秀吉がお花見の本陣にもした神社です。
他に1300年の歴史を持つ東南院、後醍醐天皇の勅願時の如意輪寺、吉野山最古の大海人皇子ゆかりの大日寺等、見どころ満載の神社仏閣があります。
その中でもひときわ目を惹くのが、中千本にある金峯山寺の蔵王堂です。

吉野山のシンボル的な存在ですが、ここの御本尊の蔵王権現像3体が本当に素晴らしいんです。
青の蔵王権現様で、高さが7メートル余り。
すごく迫力があり、3体の蔵王権現様の前に座ると最初は少し怖い感じですが、見つめていると邪悪なものを取り払って貰えるような清々しさになるご本尊さまです。
吉野山のお花見では必ず側を通るので、是非お立ち寄りになってみてくださいね。
もちろん山の上には売店やお土産屋さん、飲食店もたくさんありご一緒にお楽しみいただけます。^^
吉野桜の見ごろ(2022年)

開 花 予 想 | 満 開 予 想 | |
下千本 | 4月1日 | 4月7日 |
中千本 | 4月3日 | 4月9日 |
上千本 | 4月6日 | 4月9日 |
奥千本 | 4月10日 | 4月17日 |
まとめ
日本の代表的な 桜、ソメイヨシノ、エドヒガンザクラ、ヤマザクラの3種類についてご紹介しましたが、いかがでしたか?
それぞれに特徴がありましたが、ここでまとめてみますね。
●ソメイヨシノは江戸時代末期に江戸染井村から始まった、まだ新しい品種です。
・植樹が全て接ぎ木か挿し木で、比較的簡単に増やせる
・若木から花が咲く。
・葉より先に花が咲き、満開時は木に花だけ塊って咲くため華やかである
●エドヒガンザクラは生命力があり寿命も長い桜です。
・葉より先に花が咲き、花びらは5枚、薄ピンクから満開時に白くなる。
・こんもりとした山のような樹形である。
・生命力があり長寿。
●ヤマザクラは、日本古来からのお花見の桜です。
・個体差がある。白色、薄ピンク、ピンク色の花等がある。
・花と葉がほぼ同時につき、 花弁は5枚、若葉は葉に赤みがある。
・長期間お花見を楽しめる。
現在、桜の原種は11種確認されており、栽培品種などは380種以上もあります。
それらの品種の中でソメイヨシノ、エドヒガンザクラ、ヤマザクラは私たち日本人にとって身近で馴染み深い桜です。
きっと、あなたの住む近隣にも素敵な桜たちが咲いていることでしょう。
その桜を愛でるときに少しでもこの記事が参考になればうれしく思います。
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桜と『日本の価値観』の関係は武士道からつながる【日本人とさくら】③
それでは、長文を最後までお読み頂き誠にありがとうございました。心から感謝いたします。
ではまた、お元気でいてくださいね^^
ひかるん、 るん♪ るん♪⤴